語源小話: stun gun から広がる語源の世界
本文
スイッチオンで高圧電流が流れるスタンガン。英語では stun gun と書きます。
stun 単体では「驚かせる・気絶させる」という動詞です。語源は古フランス語の estoner (to daze) で、そのつづりが縮まって stun となりました。 さらに古フランス語の estoner をさかのぼってみましょう。estoner の語源はラテン語の extonare で、ex (out) + tonare (thunder) に分解できます。つまり「雷で打たれる」が原義です。その原義のイメージから「驚かせる・気絶させる」という意味が生まれたと考えられます。
stunning と形容詞になると「気絶させるような」という意味になります。たとえば stunning results「驚くような結果」を意味します。また原義である「雷に打たれる」はポジティブな意味にも派生しました。たとえば stunning dance「素晴らしいダンス」だったり stunning girl「気絶するほど美しい女性」などがあります。 Red Hot Chili Pepper の Dani California でも "She's a runner, rebel and a stunner" という一節があります。runner, rebel そして stunner の単語の列挙が鮮烈です。
ちなみに astonish も estoner が語源です。他動詞で「おどろかす」という意味です。
英語の語源もそうですが、さらにその語源を探っていくと言葉のイメージの源にたどりつきます。そこを理解すると、単語の意味の派生を芋づる式にイメージでき、頭にはいりやすいので効率的です。その過程の楽しさが語源学習の醍醐味でもあります。
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語源小話とは
一つの単語をピックアップし、語源を解説します。さらにそこから派生し、実は別の単語もつながっていることを説きます。語源の世界の魅力を伝えるための文章です。
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